ITSスポット活用の多様な可能性、注目の新技術
次代のITS展開に向け、内外の共同研究を通じた国総研の取り組み



ITS分野における米欧との共同研究

 ITSの分野で国総研ITS研究室は、1993年から米国運輸省(DOT)と、1994年からは欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局と、それぞれ毎年二国間会議を開催。加えて、米国と2011年、欧州と2012年にそれぞれ締結した覚書に基づき、共同研究を実施している。

 こうした活動の中で、日米タスクフォース会合(2009年設置)を通じ、日米のプローブ(probe)システムおよびプローブデータ項目などの比較、プローブデータにより可能となるアプリケーションの候補について議論。2012年に開催された「第19回ITS世界会議ウィーン2012」では、それらの中間報告を概説。これを受け、優先的に取り組むものとして選定されたアプリケーションのサービス定義やシステム化に向けた課題を整理。先の「第20回ITS世界会議東京2013」では、日米欧のプローブデータに関する最終報告書の概要をスペシャルインタレストセッションで発表。併せて、日米欧の協力に関する展示が行われた。

 そのほか、同研究室は米国運輸省とともに2012年に評価ツールと方法の共同研究計画書を策定。それに基づき、日米双方の路車協調システムに関する実験およびシミュレーション事例における評価指標や測定方法の比較・分析、用語の定義、評価指標や測定方法の分類・体系化、評価指標の測定を通じて得られた課題やポイントの整理などが進められている。

国土交通省 国土技術政策総合研究所 高度情報化研究センターITS研究室 主任研究官
坂井 康一 氏

 また国際標準についても、協調ITSの標準化に関する米欧政府間の取り組みにオブザーバー参加。セキュリティマネジメントや通信プロトコルを中心とした情報交換に努めているという。

 「日本の(ITSに関連する)いろいろな省庁の中でも、国総研は(同じ国交省の)道路局とともに、米欧との意見交換などをかなり積極的に行っているところだと思っています」

 相手国政府と協力して取り組む共同研究はそうした一環であり、ITS世界会議東京2013では日米欧の協力関係やその具体的な成果の国内外に向けた発信にウェートが置かれた。同会議の複数セッションにわたり、プローブデータ

SISでのITSスポットサービスに関する発表

やITSスポットサービス、自動運転(automated driving)などに関する発表を自ら行ったほか、「高速道路サグ部の交通円滑化サービス」に関するショーケースを直接担当したITS研究室主任研究官の坂井康一氏は、国総研の活動における日米欧の共同研究の位置づけとともに、それを反映した今回会議での自身らの発表の狙いを解説する。



走行中のEV向け非接触給電技術

道路走行中のEV向け非接触給電技術に関する展示

 国総研がITS世界会議東京2013で力を入れて取り組んだもう一つのテーマに、東京大学との共同研究により開発を進めている、道路を走行中の電気自動車(EV)に向けた非接触給電技術がある。
 この共同研究に対し、国総研側では高度情報化研究センターの情報基盤研究室が担当。EVのための充電施設の数は次第に増えつつあるものの、それらの使い勝手への不安がEVの普及を妨げている一因との考え方から、道路を走行しているEVに非接触で電力を供給する仕組みの可能性を探ることを目的として、共同研究が着手された。


Exploring New Trends: Information-oriented Strategy and Technologies in Civil Engineering, Construction, Transportation and Environment

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