Exploring New Trends: Information-oriented Strategy and Technologies in Civil Engineering, Construction, Transportation and Environment
Page 4 of 6
< Back
Next >
CIMの概念整理から、今後の展開を視野に試行を通じた課題検討へ ― CIM技術検討会の活動成果と新たな取り組み
またJACICでは、「建設CALS整備基本構想」(1996年度策定)の目標最終年に発生した東日本大震災(2011年3月)を受け、それまでのCALS/ECに関する成果を活かして被災地の復旧・復興に資するべく、「BCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)サポートシステム」を提案している。これは、ユーザーが使い慣れたシステムを用いながらクラウドサーバやモバイル端末などを介し、現場の情報を共有しようというもの。同氏はこうしたシステムについても、CIM活用の一例として言及。先の震災を跨いで取り組まれていたプロジェクトを例に、データの早期復旧を実現した効果を述べる。
(画像はJACIC 提供) (Images provided by JACIC) |
さらに、大林・前田・大本建設共同企業体が一昨年から取り組んできた黒目川黒目橋調節池工事(東京都建設局発注)を例示。複雑な構造で施工が難しいのに加え、工期厳守が求められた中、3Dモデルを使って作成した動画により施工手順などをJV(Joint Venture:共同企業体)内で確認。事前に手順などの問題点を見直すことで、手戻りのない施工に繋がった、と解説する。
加えて前述のように、海外では近年、土木構造物を含む政府事業に対してCIM(各国では建築・土木の区別なく、ともに「BIM」と表現)の適用を条件化あるいは義務化しようとの流れも見られる。
CIM導入の具体化
国内外のCIM(あるいは土木分野におけるBIMの手法適用)をめぐる先進的なトレンドを踏まえ、国交省では先に触れたように、民間主導によるCIM技術検討会(2012年7月設立)の取り組みと連携する形でCIM制度検討会を2012年8月に設置。CIM導入の方向性やそのための課題などを検討している。
同省はそうした一環で、2012年度にCIMモデル事業(試行業務)をスタート。同省直轄事業の中から全国9地方整備局等において先導モデル・一般モデル合わせて11件を選び、各プロジェクトの詳細設計をその試行対象として実施した。
(画像はJACIC 提供) (Images provided by JACIC) |
< Back
Next >