「時間項を考慮した3次元CADエンジンの開発に関する最終報告会」
Report on the Special Lecture at Kansai University Kaiser Project Special Seminar
“Final Report on Development of the 3D CAD Engine in Consideration of Time Terms”
建設業のための情報通信技術のトレンド ― 過去、現在、そして今後
Trends in Information and Communication Technologies for Construction: Past, Present, and Future
By 池野隆（Takashi IKENO）
（掲載 5/18/2013）
| ブリティッシュコロンビア大学工学部教授 トーマス・フローズ 氏 Thomas Froese, Professor of Engineering, Faculty of Applied Science, the University of British Columbia |
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2012年12月18日、関西大学カイザー・プロジェクト特別セミナー（関西大学東京センター）の皮切りとなった特別講演。その冒頭、ブリティッシュコロンビア大学（カナダ）工学部のトーマス・フローズ教授はまず、NBIMS（National BIM Standard）プロジェクト委員会（米国）による「BIM（Building Information Modeling）」の定義を示す。
― BIMとは、施設（建物）の物理的・機能的特性をデジタル表現するもの（a digital representation of physical and functional characteristics of a facility）。したがってそれは、（建設の）初期段階から施設のライフサイクルにわたって、当該施設に関する情報のための知的共有資源（a shared knowledge resource for information about a facility）として利用され、さまざまな意思決定の根拠を形成する ―
その上で、「IFC（Industry Foundation Classes）データ標準」「STEP（STandard for the Exchange of Product model data）データ標準」あるいは単に「3次元（3D）CAD」といった異なる概念を列挙。実際には、それらとBIMが往々にして似通った意味で用いられている、と述べる。つまり、「BIM」という用語が、公式の意味というよりも建物の建設プロジェクトに関わる任意の形式のデータモデルの意味で、かなりインフォーマルに使われているという。
そこで今回セミナーに当たり、初期のBIMやその最近のトレンドについて講演依頼されたのを受け、同氏はBIMをはじめさまざまな建設向け情報通信技術（ICT）が辿る時代的な変遷に迫った。
自身のICT利用の流れと普及曲線の考え方
「（聴講者の）皆さんと同様、私のコンピュータとの関わりも長きにわたります」
フローズ教授はその一端として、1970年代半ば以来、自身が利用してきた多様なコンピュータ機器の変遷を紹介。併せて、1980年代初めのCOGO（Coordinate Geometry：座標幾何学）ソフトウェアをはじめとする各種エンジニアリング・ソフトウェアや、1980年代後半からのオブジェクト指向プログラミング（object-oriented programming）などの段階的な導入について振り返る。
そうした中で、1986年までにシンプルな3D・CADエンジンを開発。1990年頃にはデータモデリングに着手。1994年に最初のWebサイトを作成し、2000年にはドットコム企業（dot-com company）をスタート。その傍ら、1990年代と2000年代のほとんどを通じて建設向けデータ標準の開発に関わる複数の活動に携わってきた、と語る。
（画像はトーマス・フローズ氏 提供）
（Images provided by Thomas Froese）
