アブデルハミード氏は発表の冒頭、建設現場のPMで広範な領域がカバーされることに言及。それに付随し、当該プロジェクトに取り組む中で予算やスケジュール、品質、安全、技術、その他の方策といったさまざまな問題への対処が求められることになる、とする。
そうしたプロセスにVRを用いることで、同氏はすべてにおいてではないと断りつつも、リアリティを持った環境下で意思決定を成し得るメリットに注目する。
そこで前回「World 16」の研究では、建設プロジェクトのスケジュールを設定するプロセスに3次元(3D)リアルタイムVRソフト「UC-win/Road」で作成したVRを連携。3Dモデルの移動で表現される各種シミュレーションのアニメーションを再生する「マイクロシミュレーションプレーヤー(Micro Simulation Player)」を使い、建設のスケジュールやレポートを動的に可視化。さらに、XMLファイルを介し建設プロセス内の変更をUC-win/Roadで反映して容易に可視化するなど、4DのPM支援ツールとしての可能性を、サンプルを交えながら解説した。
Exploring New Trends: Information-oriented Strategy and Technologies in Civil Engineering, Construction, Transportation and Environment
バーレーン大学 工学部 建設学科 アシスタントプロフェッサー ワーイル・アブデルハミード 氏 Wael Abdelhameed, Assistant Professor, Department of Civil Engineering & Architecture, College of Engineering, University of Bahrain (写真は潟tォーラムエイト 提供) (Photo provided by FORUM8) |
建設プロジェクトへのVR(Virtual Reality)適用の可能性を探る研究に、バーレーン大学(University of Bahrain)工学部建設学科アシスタントプロフェッサーのワーイル・アブデルハミード氏は継続的に取り組む。
前回(2010年度)「World 16」プロジェクトでは、建設現場(site)のプロジェクトマネジメント(Project Management:PM)においてVR利用がもたらす可能性に着目。とくに、スケジューリング(scheduling)およびレポーティング(reporting)にフォーカスし、VR適用の具体的なメリットついて探っている。
2011年度の同プロジェクトに当たり、同氏はその適用対象を拡張。建設現場のPMにおけるモニタリング作業へのVR導入をテーマに掲げた。
(次ページへ続く)
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建設プロジェクトのモニタリングにおけるVR活用
VR in Construction Monitoring