ノヴァック氏はこのような今回プロジェクトに関する背景と着眼点に触れた後、その時点ではまだ十分な成果に至っていないとしながら、それまでの取り組みの一端を示すものとして、上空から海を俯瞰しつつダイナミックにアングルを変えるリアルな映像に重畳し、それと連動して破片のような不規則な形状の3D・CGが次々と姿を変化させていく様子をシミュレーションする。

 一連の映像は、UC-win/Roadによって制御されることになるもので、都市の中を走行中の挙動を再現する一種のメディア環境を成す。そこでは特定のケースを反映しているとは言え、ドライブ中の街路が見えるのと同時に、音響や映像などを含む人工的な環境も体感できると解説する。

(特集内の写真は潟tォーラムエイト 提供)
(Photos provided by FORUM8)

 次いで同氏は、球体の表面に抽象的な縞模様を織り成すCGを示す。これは、同氏らが作り上げた環境の一部で、一見してそれ自体はさほど印象深いものではないと自ら形容する。

 しかし、音と結び付く動的なシェーダーの機能により、同氏の話に反応して縞模様が変化。また、カメラに光を当てたり、その前にものを置いたりしても、シェーダーは反応する。それはメディア的に制御され得る非常に動的かつ流動的な環境によるもので、引き続きUC-win/Roadにこれらのアイディアを組み入れていく考えという。

 同氏は最後にこれらの取り組みの延長上で、UC-win/Roadを利用し、仮想空間内を通り抜けていく様子を表現。併せて、そのワイヤーフレーム(wire frame)を6面スクリーンで紹介した。

 UC-win/Roadで作成された道路上を走行する車のドライバーからの眺めは、ゆっくりとスタート。加速していくにつれ、真っ直ぐに延びた道路は次第に緩やかなカーブを描いていく。同時に、道路の上部に表現された線状の情報も動的に変化していく。

 UC-win/Roadの環境では基本的に見ている者は景観の中にある、と同氏は説く。そこでは自身のいる位置を常に知ることに加え、街灯や歩行者などドライバーにとって必要な情報は何でも自身の移動と連動してVR空間の中に適宜組み入れていくことが出来る。また、環境内のものはすべて置き換えることも可能で、例えば、自然な風景あるいは人工的な風景なども望むような形に作り替えられることになる、と説明。更なる研究の展開を示唆する。

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