ロバート・ゴードン大学デザインテクノロジー学部建築構築環境学科 講師
アマール・ベナージ

Amar Bennadji,
Lecturer, School of Architecture and Built Environment, Faculty of Design and Technology, Robert Gordon University


(写真は潟tォーラムエイト 提供)
(Photo provided by FORUM8)

 英国スコットランド北東部の都市、アバディーン(Aberdeen)を拠点とするロバート・ゴードン大学(Robert Gordon University: RGU)。その起源は古く、17世紀から18世紀にかけて活躍した商人、ロバート・ゴードンがギルドを構成する貧しい商人らの子弟を教育するため、自らの名を冠した養育施設(hospital)を創設。その後、アバディーンのギルド構成員らの子弟向けに寮教育(residential education)を提供するようになった18世紀前半に遡る。

 19世紀になると教育の対象を成人にも広げ、職工学校(Mechanics’ Institution)を開校したほか、それらの専門学校(college)への転換も進展。20世紀に入り組織の拡充や再編を経ながら、多様かつ高度な専門性を充実。1992年には現行のRGUが正規の大学(university status)として認可されるに至っている。

 同大は現在、シティセンター(City center)およびガースディ(Garthdee)の大きく2ヵ所にキャンパスを配置。前者はアバディーン市中心部に位置し、その一帯は石造りの建築物などが伝統的な街の佇まいを留める。

RGUガースディキャンパスの駐車容量
Parking Capacity in RGU Garthdee Campus
市の南部からA90の、反対方向と中央分離帯で区切られた片側1車線道路を通り、RGUガースディキャンパスに至る唯一のアクセス、ディー橋
Bridge of Dee, the only access to Robert Gordon University Garthdee Campus from the A90 dual carriageway from the South of the city

(画像はアマール・ベナージ氏 提供/(有)ライティング・ソリューションズ 訳)
(Images provided by Amar Bennadji/Translated by WritingSolutions Ltd.)

 また、後者は20世紀半ばにディー川(River Dee)河畔の地所が寄贈されたのを受け、グレイズ芸術学科(Gray’s School of Art)やスコット・サザーランド建築構築環境学科(Scott Sutherland School of Architecture & Built Environment)の本部機能が逐次設置されてきた。1998年、アバディーン・ビジネススクール(Aberdeen Business School)の建設とともにガースディキャンパスの開発がスタート。2002年には保健社会福祉学部(Faculty of Health & Social Care)、2005年にはスポーツセンター(RGU: SPORT)が新たに設置されたのをはじめ、大学管理部門の多くや他の支援施設が再編されてきた。RGUではさらに、将来の成長を視野に同キャンパスの継続的な開発を目指す基本計画(Masterplan)を推進している。

 こうした流れを背景として、RGUデザインテクノロジー学部建築構築環境学科講師のアマール・ベナージ氏は、2010年度「World 16」プロジェクトで、周辺エリアからRGUにアクセスする経路の再構築を通じた交通および公害の制御に焦点を当てた。


By 池野隆(Takashi IKENO)
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Exploring New Trends: Information-oriented Strategy and Technologies in Civil Engineering, Construction, Transportation and Environment

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ガースディキャンパスへの大学機能統合
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 RGUは大学として認可される以前から、複数の敷地をアバディーン市周辺に保有。1994年にはそれら分散した大学の機能をガースディキャンパスに整理統合しようという施設戦略(Estates Strategy)が着手された。

 その具体化に先駆け、同大は既存のグレイズ芸術学科およびスコット・サザーランド建築構築環境学科のキャンパスに隣接する市議会所有地の利用に関しオプションを取得。20年以上にわたる長期計画の下、段階的な開発を進めることになった。その最初のフェーズで、スクールヒル(Schoolhill)とセントアンドリュース通り(St Andrews Street)に跨るシティセンター、およびガースディという主要な2ヵ所の敷地への整理統合が2002年に達成されている。

 その後の継続的な各種施設の整備を経、RGUは34,000uに及ぶガースディキャンパスの新たな建築に関する詳細計画をアバディーン市議会に提出。2010年にその認可を得た。



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WMVR
「第4回 国際VRシンポジウム」<World16>研究発表10
The 10th Presentation of World 16, the 4th International VR Symposium

ロバート・ゴードン大学の新駐車場とディー橋混雑緩和
(交通および公害制御:
ロバート・ゴードン大学へのルートおよびアクセスの再構築)

RGU new car park and Dee Bridge decongestion
(Traffic and Pollution control:
Remodeling routes and access to RGU)

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(掲載 10/4/2011)
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