Isovistは、人が(その地点から)360度にわたって見ることが出来るものを2Dで再現する。その形状(可視領域)は、人が空間の中を移動するにつれて変化する。人々がIsovistの形状の中心に引き付けられることは理論付けられる。私たちは空間の中を移動しながら、取り巻く空間の幾何学的形状と調和していたいという欲求を持つ。Isovistは、空間の定量計測法の一つとして使われる。
An isovist represents what a person can see in 360 degrees in 2D. The shape of the isovist changes as a person moves through a space. It is theorized that people are attracted to the center of the isovist shape. As we move through space, we have a desire to be in balance with the geometry of the space around us. The isovist is used as a quantitative measure of space.

 スウォーツ氏がもう一つのテクニックとして注目するのは「Isovist(アイソビスト)」だ。これは、M.L. Benedikt(ベネディクト)によって定義づけられ、空間上に与えられた視座から見ることが出来る点の集合(可視領域)を意味する。つまり、街区の一点に焦点を当て、そこから360度の方向に線を放射して描かれる形状を、通常は2Dで再現。それらはさまざまな形状や特性を持ち、時間を反映した空間を考察することも出来る。

 そのほか、遮蔽(occlusion)と記憶を通じたマッピング、各種街区を軸線(Axial Line)によって構成する地図(Axial Maps)などの再現手法、空間ネットワークを分析するソフトDepth MapやIsovistを利用したサンプルを紹介する。

 また、3D解析(3D Isovist Analysis)の可視化はやや難しい面があるとしつつ、同氏らは3D Studio Maxを使って食料品店の3Dモデルを作成している。

Isovistはほとんどの場合、2Dであるのに対し、これは3D・Isovistの例。私たちがいかに空間を3Dで認識するかのベスト・モデルが、やはり決定される。
While most isovists are two dimensional, this is an example of a 3D isovist. The best model of how we perceive space in three dimensions is still being determined.

景色の中に照明を焼き込み、表面を明るく照らしたり、棚の配列を変えたりして商品の視認性を高めるなどの試みを実施。その一端を、異なるバージョンのレイアウトとともに、別のゲームエンジンを用いて示した。

 さらに、これらと異なるタイプの空間解析手法として同氏は、heightmaps(高さマップ)を利用する2.5D Isovistを挙げる。例えば、山の上の一点からの可視領域を得られる特性を活かし、火の見やぐらに最適な位置の決定が可能になるとする。さらに、ジョージア工科大学のキャンパス上を巡回する例では、360度で
はなく特定方向の部分的な視域のモデルを利用している

以前の研究でリアルタイムIsovistが、VR(バーチャル・リアリティ)によるパッラーディオのヴィラ、ヴィラ・カプラ向けに開発された。この考え方はUC-win/Roadの機能にも拡張されている。
In previous research a real-time isovist was developed for a Palladian villa, the Villa Capra, in virtual reality. This concept was extended to also function within UC-win/Road.

(画像はマテゥー・スウォーツ 氏 提供/
(有)ライティング・ソリューションズ 訳)
(Images provided by Matthew Swarts/
Translated by WritingSolutions Ltd.))

バーチャル環境での実験


 スウォーツ氏らは迷路のようなバーチャル環境の中で、被験者が同じ場所を出発し所定の終着点に到達するといった簡単なタスクを与え、記憶と位置について考察する実験を行っている。

 まず、ショッピングモールを模した空間を基本的なモデルとして作成。その後、不要な多くのテクスチャを除去。幾何学的形状にフォーカスできるよう、素材の重さの削減に努めた。

 次いで同氏は、二対の通路形状(configurations)とAxial Mapsを提示。縦横に貫通する十字路を中心に内側と外側をほぼ正方形で囲む形の通路を配した階層的に統合された世界(hierarchically integrated)と、同様な各通路を相互に関係ない形で配した分散的に統合された世界(dispersedly integrated)、それぞれの構成上の特徴を説明。被験者はそれらを順次ウォークスルーし、2つの異なるバーチャルな世界をナビゲートすることが求められた。

Exploring New Trends: Information-oriented Strategy and Technologies in Civil Engineering, Construction, Transportation and Environment

WebMagazineTitle
WritingSolutions
201102Issue
Forum8
WMVR

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ビジュアル空間解析(UC-win/Roadで
点群の可視化を通じて実現されるIsovist解析)

Isovist Analysis Realized through Point Cloud Visualization
in UC-win/Road

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Isovistへの注目
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