環境設計情報学賞は、法政大学のspatial analysis lab.による「’s SITE」。これは、環境やエネルギーに配慮した、集約型・低炭素型の都市をコンセプトに、自動車に頼らず活動可能な規模の人工島を構想したもの。福田智弘・大阪大学准教授はそこでの都市や環境が精緻に作り込まれたVRコンテンツへの評価を述べた。

 チャレンジング賞は、芝浦工業大学のANTによる「The floating town」。居住空間を構成するのに必要な要素をパターン化して自動生成するのと併せ、コミュニティづくりやクリーンエネルギーのサイクルなど、循環型のライフスタイルを実現する海上の街を提案する。とくに、まず島をつくってからその中に建物を配置していくという通常のアプローチに対し、この作品では個々の建物が集まって島を形成していくという大胆な発想の転換がアピールポイントとなった。

 Arche Polis(アルケポリス)賞は、日本大学のSF-JNT2による「The Poseidon」。米国のUS&R(Urban Search and Rescue:都市型捜索救助)を日本に適した体制にアレンジ。ヘリコプター専用空港を備え、国内のあらゆる災害現場に対応する防災拠点の構築を描く。コスタス・タージディス(Kostas Terzidis)・ハーバード大学准教授は、都市の根源とも言える「街を守る」というユニークな発想への注目を同賞受賞の理由として挙げる。

 シビルデザイン賞は、日本大学のTOKU-16thによる「JUGEMU」。江戸時代のエコロジカルなまちづくりを手本に、住居や多様なインフラから構成する海上都市をデザイン。サステナブルな街づくりのヒントを江戸時代に求めつつ、新しい時代に活かそうという作品のコンセプトに対し、花村義久・NPO法人シビルまちづくりステーション理事長は土木工学と市民という両面の視点から評価したという。

 そのほか、香港理工大学のCVP BIMerによる「The Eye of Tokyo」と、拓殖大学のnagami yoyoによる「olympic island」の2作品がノミネート賞を受賞している。

Exploring New Trends: Information-oriented Strategy and Technologies in Civil Engineering, Construction, Transportation and Environment

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