さらにシナーベル氏は、4つのステップから成る「Manga-Me」の基本的なマンガ作画プロセスに言及。最初のステップとなるオリジナルの背景写真として、自身が東京都内で撮影した商店街の写真を例示する。次いで、その画像をアプリケーションに取り込み、各種要素に分けて画像を吟味できるようセグメント化。その上で、輪郭を設定し、ライブラリの中からスクリーンやハッチなどを選んで適用。併せて、マンガらしい様式となるようモノクロのトーンを調整し、キャラクターと結合させる。
これらのプロセスは、適用する線画やスクリーンなどによって効果がどのように違ってくるか把握しつつ、漫画家にとって望ましい完成形が得られることを狙いに、半自動で操作できる形になっている。同氏はそのサンプルとして、都市の集合住宅群や繁華街の写真と、それぞれから派生して作成された詳細度の異なるマンガ表現を紹介した。
同氏らはその年の9月に開催された「東京ゲームショウ2011(TOKYO GAME SHOW 2011)」に参加。潟tォーラムエイトのブースで、同プロジェクトの研究成果を「UC-win/Road Manga-Meプラグイン」として出展している。
そこでは、同プラグインを使って来場者をマンガ化(mangarize)。前述の背景画と結合し、ある種の文脈を持ったマンガの中のキャラクターとして組み入れるパフォーマンスを行い、注目を集めたという。
「Manga-Me」の作画プロセスとその成果
「Manga-Me」とUC-win/Roadとを組み合わせることで、シナーベル氏はプロジェクトの意味や価値などを関係者に理解してもらうためのストーリーテリング(story-telling)における、その効果的かつ新たな機能性に着目する。
UC-win/Roadは、エンジニアはもちろん、一般の人々や意思決定者に対するプレゼンテーションで多く用いられる。そうしたケースで重要になるのが、ストーリーが何であるかを適正に伝えることだという。
つまり、そのような情報を必要とする利害関係者に対し、当該プロジェクトもしくは建築のデザインがどのようなものであるか、何を行いたいのか、建築プロジェクトがどのような影響をもたらすか、街路の建設が交通状況にどのような効果をもたらすか、といったことを説明する上で、ストーリーをどう展開するかが大きなカギとなる。
その際、多彩な表現方法はあるが、マンガでストーリーを展開したり、あるいはアニメーションにしたりすれば、情報を発信する側の意図がより分かりやすく伝わるはず、と説く。
UC-win/Roadとの結合による可能性
「Manga-Me」の豊かなビジュアル表現 Visual Richness of Manga-Me (画像はマーク・オーレル・シナーベル氏 提供/(有)ライティング・ソリューションズ 訳) (Images provided by Marc Aurel Schnabel/Translated by WritingSolutions Ltd.)) |
Exploring New Trends: Information-oriented Strategy and Technologies in Civil Engineering, Construction, Transportation and Environment
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UC-win/Road対応の「Manga-Me」、デジタル・マンガ作画手法
Digital Manga-Me Style for UC-win/Road
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