ジェムトラッド氏はまず、今回「World 16」プロジェクト対象エリア内の、運河にほど近い鉄道沿いに計画されたコミュニティセンターの位置を示すとともに、モントリオール島(Island of Montreal)の当該エリアに極めて大きなインフラシステムが結びつく構図を説明。さらに、前述のデザインスタジオで学生らが作成したいくつかのデザイン提案を紹介する。
デザイン代替案:第4回国際VRシンポジウムで、同氏らは広く社会に対する情報の提供を支援し、地域住民の間での活発な議論をもたらすとともに、デザインプロセスへの参画を促すため、UC-win/Roadにコミュニティセンターの4種類のデザイン代替案を組み込んだ。 Design Alternatives: At the 4th International VR Symposium, they incorporated four design alternatives of a community center in the UC-win/Road program to help deliver information to the public, generate stronger debates among community members and to encourage participation in design. (画像はFARMM 提供/(有)ライティング・ソリューションズ 訳) (Images provided by FARMM/Translated by WritingSolutions Ltd.) |
次いで同氏らが次の段階で開発を目指すものとして、市民の関心が高いエリア内の交通に関する多様なスケールのデザイン提案に向けた、より詳細なモデルの作成を挙げる。例えば、モントリオールでは自転車の利用が普及しており、自転車のシェアリングプログラムなど北米でも最大級の自転車用システムが設けられているという。また、空港・都心間を結ぶ新しいシャトル列車の運行が計画されていることから、その停車駅をはじめとする鉄道インフラ、あるいは自動車交通などの反映も視野に入れている。
助成金に基づく一連のプロジェクトは、引き続きデザインスタジオでデザイン提案を作成・拡充した後、2011年5月以降にコミュニティとの共同による大規模な最終イベントの実施に繋げたいとしている。同氏らはモントリオールの芸術技術協会(The Society for Arts and Technology:SAT)とも連携。SATの360度没入型環境(immersive environment)の音響映像装置を備えた巨大ドーム、サトスフィア(Satosphere)を都市デザインや建築の提案に際して利用している。前述の最終イベントでは、リノベーション後のサトスフィアにモデルを配備し、デザインシャレットのコアとしていく考えを示す。
その後、同氏はデザインスタジオで学生らが作成したモデルの映像を紹介。コミュニティセンターに期待される様々な機能や活動に触れながら、UC-win/Roadを使って作成した成果は最終的なアウトプットとしてよりも概念化のプロセスに活用したいとの意向を述べる。
その上で、これらのデータを膨大な環境シナリオの中にどう統合・配置するかが今後の主要な課題になると位置づける。
Exploring New Trends: Information-oriented Strategy and Technologies in Civil Engineering, Construction, Transportation and Environment
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デザイン提案と今後の展開
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建築および都市デザインのための統合普及フォーラム:大規模都市プロジェクトにおける市民参画支援へのUC-win/Road利用
Integrated Dissemination Forums (IDF) for Architecture and Urban Design: Using UC-win/Road to support public engagement and participatory design on major city-building projects
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