運用は難しかったものの、ドバイのザーイド大学の学生らによって作成された首長国文化のグラフィック表現はノースカロライナのWSSU、フォーサイス・テック、およびPCCの学生らによって作成されたモデルを補完する局面に至ってきた。彼らは自らの最新シミュレーションにおいて、これらをよりまとまりのある形に組み立てたいと考えている。
Although difficult to manage, they have come to a point where graphic representations of Emirati culture made by students at Zayed University in Dubai complement the models made by students at WSSU in North Carolina, Forsyth Tech, and PCC. They hope to pull these together more cohesively in their current simulation.

(画像はトーマス・ジェームズ・タッカー 氏 提供/(有)ライティング・ソリューションズ 訳)
(Images provided by Thomas James Tucker/Translated by WritingSolutions Ltd.)

 同氏はまた、単純なモデルを基にUVマッピングやテクスチャの割り当てを行った手順を紹介。2、3週間と極めて短期間でそれらをVRシステムに反映。シンプルなワイヤーフレームモデルに過ぎなかった域内の55の建物が、照明(lighting)や陰影(shadowing)などのレンダリングにより環境のフィーリングを実感できるものになるよう目指したと述べる。

 次いで、アニメーション化に当たっては、前回成功したのと同様、UC-win/Roadを利用。その作業自体は難しい面もあったものの、例えば、ラクダの歩行のよりリアルな再現など、やりがいのあるアニメーションサイクルだったとする。

 最終成果として、まずMayaで描いたラクダとそれに乗る人、続いて人とそれに従うロバやヤギ、ボートとその漕ぎ手のワイヤーフレーム、およびそれらをレンダリングしたアニメーションを再現。そこではキーフレームとアニメーションを連携。それぞれのキャラクターの動きを創出するため、モーションキャプチャデータが使われている。

トーマス・タッカー氏は学生とともに、例えば、ウェイク・フォレスト大学医学部整形外科学科とWSSU理学療法学科のコラボレーションによる人間工学・生体工学研究所の、理学修士ベンジャミン・ロング氏および理学療法学博士ジュディ・フォックスワースさんによって運営されるモーションキャプチャ・ラボを利用して、シミュレーションのための静的・動的資産の開発に多大なエネルギーを注いだ。同プロジェクトは、米国およびUAE両国の学生にとって重要な訓練の場となってきた。
Prof. Thomas Tucker and his students put a great deal of energy into the development of both static and dynamic assets for the simulation, making use of, for example, the motion capture lab at the Human Performance and Biodynamics Laboratory, a collaboration between Wake Forest University School of Medicine’s Department of Orthopaedic Surgery and WSSU’s Department of Physical Therapy, run by Benjamin Long, MS and Judy Foxworth, P.T., Ph.D., O.C.S. The project has been an important training ground for students in both the US and the UAE.

 その後、WSSUのモーションキャプチャ・ラボでの実際の作業プロセス、MotionBuilderを使ったモーションキャプチャの編集作業などについて説明した。

 同氏がとくにエキサイティングだったと振り返るのは、前回は困難だったMayaから3d stereo max、UC-win/Roadへとアニメーションを持ってくるプロセス。今回は、小林佳弘・アリゾナ州立大学計算・情報・意思決定工学部プリズム研究所研究員/FORUM8 AZ代表(Yoshihiro Kobayashi, Prism Lab. Research Associate, School of Computing, Informatics, and Decision Systems Engineering, Arizona State University/ FORUM8 AZ CEO President)が作成したスクリプトをチュートリアルに従い、入れ込むことで作業がうまく進んだという。

Exploring New Trends: Information-oriented Strategy and Technologies in Civil Engineering, Construction, Transportation and Environment

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ドバイ歴史地区(Al Bastakiya)の再構築

Reconstruction of the Al Bastakiya Cultural Quarter

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今回の成果と新たな可能性

VRからキャプチャしたイメージ
Images from VR

 これまで同氏らは、伝統的な建築サンプルに基づく3次元モデルの作成・統合の理解に努めてきた。今回プロジェクトでは、プレゼンテーションツールとしてVRソフトをいかに適用するか、そしてVRで再現したデジタル空間の中で文化的風習や歴史に関する情報を伝えるため学生のデザインスキルをいかに活用するか、に改めてフォーカスした。

 その意味で、VRシミュレーションとビデオPop-upによる説明の統合は、将来のバスタキヤやシンダガ(Shindagha)での民俗学的研究に際しても新たな調査成果を反映させることが可能であり、ドバイの過去の社会的知識を深める機会になるものと見ている。

 一方、同氏らは最近、ドバイの伝統的な音楽や小型船、農業、畜産、社会組織と経済活動、環境との間の相互関係に関する一連の資産(assets)の作成を進めている。これは、主に教育分野でのVRプレゼンテーションの新たな適用可能性を視野に入れたもので、例えば、博物館でのドライビングシミュレータ利用に興味を持っているという。今回の試みと併せ、UC-win/Roadの新しい機能的方向に期待を示す。