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　1972年、当時の通商産業省は行政管理庁、経済企画庁、科学技術庁、大蔵省、文部省、運輸省、郵政省と連携。10月の第1週を「情報化週間」と定め、全国各地での情報化に関するイベント開催とともに、情報化の促進に貢献した個人や企業の表彰を開始した。その後、情報化の社会的な重要性の高まりを受けて、期間を拡大。10月を「情報化月間」と位置づけ、さまざまな行事が実施されるに至っている。

　40回目を迎えた平成23年度は「世界をつなぎ、未来を創るIT」をテーマに設定。この間の情報化の進展を踏まえつつ、更なる情報化の促進により、人・モノ・地域がITを通じて融合し、新たなイノベーションの創出を目指すべきとのメッセージが込められた。

　今年度情報化月間で表彰されたのは、情報化促進貢献個人の6件、情報化促進貢献企業等の4件、情報化促進貢献情報処理システムの7件、および将来のIT社会を担う人材の育成を目的とするU-20（アンダー20）プログラミング・コンテスト（第32回）入選作品の10件。冒頭で触れたフォーラムエイトのほか、東日本大震災被災前から同報・移動系防災行政無線や潮位・津波観測システム、津波対策支援システムなどの開発・導入に力を入れてきた宮城県気仙沼市（総務大臣表彰「情報化促進部門」）、ITS（高度道路交通システム）の発展・普及・実用化の促進に関する事業を通じて得られた通行実績データ（プローブ情報）をWeb上で公開し、東日本大震災後の復旧復興活動の円滑化に貢献した特定非営利活動法人ITS Japan（国交大臣表彰「情報化促進部門」）などが含まれている。

　さらに、情報化への理解を深めてもらうため、全国各地で各種展示会、講演会、セミナーなどが実施される予定だ。

ハイウェイドライビングシミュレータの概要と評価

情報化促進貢献情報処理システムに関する情報化月間
推進会議議長表彰を受賞した「ハイウェイドライビング
シミュレータ」
（製品およびVRの画像は㈱フォーラムエイト提供）

　フォーラムエイトが情報化促進貢献情報処理システムとして情報化月間推進会議議長表彰を受賞した「ハイウェイドライビングシミュレータ」は、安全運転の啓発を目的に高速道路上での危険を伴う事象をドライビングシミュレータ（DS）で再現するもの。

　これは、同社の3次元リアルタイムVR（バーチャルリアリティ）ソフトウェアパッケージ「UC-win/Road」をベースに開発。高速道路上や関連する各種施設におけるさまざまな危険事象を複数のシナリオに基づき体験、運転結果のログから体験者の運転診断結果も出力できる。ハードウェアには、6軸モーション実車パーツオプション（SUBARU社製）を採用している。

　情報化月間推進会議はその表彰理由として、基本ソフトウェア部分にパッケージソフトウェアを採用することで、道路データベース等の更新に要するコストを従来技術と比べ1/7程度削減。その結果、道路データベースや体験メニュー等の更新が容易となり、体験者への訴求効果が高い安全運転啓発のためのDS提供を実現。DS市場を変革するほどの価格的インパクトをもたらすなど、わが国の情報化の促進に貢献したとしている。

「平成23年度情報化月間」の表彰（2011年10月3日、東商ホール）

　経済産業省、内閣府、総務省、財務省、文部科学省、国土交通省の関係6府省は毎年10月を情報化月間と定め、情報化に関する普及・啓発活動を重点的に実施している。平成23年度情報化月間（10月1日～31日）のオープニングを飾る「情報化月間記念式典」（主催：情報化月間推進会議（関係6府省により構成））が10月3日、東商ホール（東京・丸の内）で開催され、併せて今年度の情報化促進貢献個人・企業等・情報処理システム、若者による優秀なコンピュータプログラム作品に関する表彰が行われた。そのうち、情報処理システムに関する情報化月間推進会議議長表彰を㈱フォーラムエイト（伊藤裕二社長）の「ハイウェイドライビングシミュレータ」が受賞した。